二台のピアノで♫

きのうはダイヤ通り音楽ホールで、重松壮一郎さんとのジョイントライブでした。即興演奏の重松さんと、クラシックの私が「風のゆくえ」というテーマで共演(饗宴)しました。私が弾くシューベルトの即興曲作品90のイメージが”風のように”だったので、私から提案して今回のテーマが決まりました。きのうのライブで重松さんは、ピアノの音は風を表現するのにはあまり適していないように話していましたが、それでもその音楽は風を充分感じることができました。

きのうはもう一つお楽しみがありました。先月末、このホールに新しいピアノがやってきました。「グロトリアン」というドイツ製のアップライトピアノ。スタンウェイの前身でもある歴史的なメーカーで、やってきたピアノは180年記念モデルでもあります。今までのピアノとちがって、ピアニッシモの音を左側の弱音ペダルを(右側はダンパーペダルで音を持続させることができる)使用しなくても弾くことができ、今までのよりボディーは小さいのに、フォルティッシモも出せる・・・要するに、表現の幅が大きく広がったのです。

きのうは、まだこのピアノを弾きこなすテクニックを手にいれてなかったので、シューベルトは客席の中に置いた従来のピアノで、お客さまに囲まれて弾きました。ライブの最後は恒例の即興連弾。今回は二台のピアノでの即興演奏でした。さらに終演後には、調律師さんとピアノを置く位置や角度を変えながら、いろんな曲を演奏しました。新しいピアノ。いろんな人にいっぱい弾いてもらいながら、だんだんとこのホールになじんでいくように思います。